一般社団法人 日本衣料管理協会Japan Association of Specialists Textiles and Apparel

衣料管理士
Textiles Advisor,TA
TAの集い

勉強会・見学会レポート


2024年度


「関東衣料管理士の集い」オンライン勉強会

  • 日 時2024年12月12日(木)14:00~15:30
  • テーマファッションローガイドブック
    グリーンウォッシュのリスクを回避するためにできること
  • 講 師三村小松法律事務所 弁護士 海老澤 美幸 様

〔概 要〕
 欧米をはじめ、世界的に規制が進みつつある「グリーンウォッシュ」について三村小松法律事務所 弁護士の海老澤美幸氏にご講演いただきました。
 「グリーンウォッシュ(グリーンウォッシング)」とは、環境やエコなどのイメージを持つ「グリーン」と「問題をごまかす」といった意味を持つ「ホワイトウォッシュ」を合わせた造語で、実際には根拠や実態がないにもかかわらず、環境に配慮したサステナブルな商品やサービスであるかのように見せかけて消費者を欺くことです。近年、欧米でグリーンウォッシュに関する訴訟が急増し、日本においてもグリーンウォッシュという言葉が認知されてきています。
 グリーンウォッシュが問題となった実例や、EU各国、アメリカ、オーストラリアなど海外での法規制の動きなどについて、詳しくご紹介いただきました。グリーンウォッシュの対象になるのはタグ・取扱説明書などの商品表示、ポスターやショッピングサイト、電話などの広告にとどまらず、事業報告、CSR報告書など企業の情報開示も含まれ、個々の商品だけでなく企業全体にかかわる重要な課題となっているそうです。また、グリーンウォッシュでないことを証明するためには、ライフサイクル全体で持続可能なことが確認できる根拠や信頼性の伴ったデータの開示が必要となり、証明の難しさを感じました。
 現在、日本ではグリーンウォッシュそのものを規制する法律はありませんが、過去、「生分解性」を標榜した商品について景品表示法上の措置命令が実施された事例があり、また、国内だけでなく海外向けに事業展開している企業も増え、グリーンウォッシュに対する理解を深め、法規制の動向を把握することが非常に重要だと感じました。
 ファッション業界において、関係の強いグリーンウォッシュについて深く学ぶことができ、また、参加者のみなさまからも多くの関心が寄せられ、大変充実した勉強会になりました。



衣料管理士
TA:Textiles Advisor