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一般社団法人 日本衣料管理協会Japan Association of Specialists Textiles and Apparel

衣料管理士
Textiles Advisor,TA
TAの集い

勉強会・見学会レポート


2025年度

「衣料管理士の集い」3支部合同見学会

  • 日 時2025年12月5日(金)10:00~16:00
  • 見学先東株式会社ワコール、株式会社京都紋付

〔概 要〕
 2025年度の合同見学会は、京都市にある株式会社ワコール様、株式会社京都紋付様の二社にお伺いしました。

 株式会社ワコール様では、はじめに1946年の創業当初からの歴史、新技術の「Melooop(メループ)」、および3Dボディスキャナーを用いた人体計測サービス「SCANBE(スキャンビー)」についてご講演をいただきました。その後、商品試験センターとミュージアムを見学させていただきました。
 「Melooop(メループ)」は、立体物を製作する新技術を独自開発し、2020年よりブラジャーのカップ部分の生産技術として実用化されました。この新技術は、モノマテリアル(単一素材)でものづくりができるためリサイクルがしやすく、型に繊維を吹き付けることで立体物を成型するため破棄材料が少ないという特長があり、環境に配慮したものづくりへの活用が期待できるとして注目されています。今回は特別に、原料ペレットやブラジャーのカップ以外の用途として制作されたバッグ等を拝見させていただきました。 商品試験センターの見学では、お客様からのご意見をもとに開発されたオリジナルの試験や、実使用を想定した製品の洗濯試験を拝見させていただきました。社内に試験室を保有し、独自の評価体制を構築されていることが、ワコール製品の高い品質を支える基盤となっていることを実感しました。


 株式会社京都紋付様では、はじめに京黒紋付マーケットの現状、京都紋付独自の「深黒加工」技術や衣類の染め変えについてのご講演をいただき、その後工場を見学させていただきました。
 京都紋付様は、1915年(大正4年)の創業以来、日本の伝統的な正装である京黒紋付染め一筋に「黒」を極めておられ、近年では黒染による衣類の染め替えで、汚れたり色褪せたりした服を再生させ、廃棄衣料の削減というSDGsに貢献されています。
 工場見学では、黒染→ソーピング→天日干しで乾燥→深黒加工→脱水→もう一度天日干しで乾燥という複数の工程を経て、深みのある美しい黒色が生み出されることを学びました。また、染め替えだけでなく「染めることを前提とした製品」の開発にも取り組まれています。あえて染まらない糸を使用することにより、染め替え後に柄を浮かび上がらせることで「1着で2回変化を楽しめる」「愛着のあるものを蘇らせる」という新たな価値を提案されており、素晴らしい取り組みだと感じました。
 両社ともにご参加いただいた皆様からの多くの質問に対し、大変丁寧にご回答いただき、非常に実りある見学会となりました。




衣料管理士
TA:Textiles Advisor