〔概 要〕
ポリエステルをはじめとする疎水性繊維の染料として、世界中で最も多く使用されている分散染料の特徴とトラブル事例について、杉本忠昭氏を講師にお招きし、ご講演いただきました。
分散染料は、染料の中で唯一不溶性であり、水に分散させた状態で染色します。また、分散染料には、ポリエステル繊維と結合しないためマイグレーションが起きる、熱・油分・有機溶剤によってブリードが起きる、ポリエステル以外の繊維を汚染するという他の染料にはない特徴があります。分散染料の基礎知識から染色方法や堅ろう度特性、複合素材の染色、堅牢度やブリード、逆汚染、昇華など各種トラブル事例などについて、幅広くお話いただきました。
物性、染色堅ろう度に優れ、様々な用途で身近に使用されているポリエステルですが、ファインデニール化やポリウレタン混や綿混などの複合化によって、湿潤堅ろう度のトラブルが多発しているそうです。生産・流通・着用のトラブル発生段階での分類別の発生因子をよく理解しておくことが重要だと感じました。特に、ポリエステル製品は保管中に品質低下を生じるという点は改めて認識し、対策を講じる必要性を痛感しました。先生の知識の深さ、経験に基づいたお話に自然と引き込まれてしまいました。
会場での開催でしたが、非常に多くの方にご参加いただき、大変充実した勉強会となりました。
